試用期間中は社会保険に加入できさせてくれない
これって違法ではないのですか?
相談内容は以下のとおりです。
本年大手出版社B社に中途入社しました。
Aといいます。
入社してすぐやめていく人が多いという
理由で最初の3か月間の試用期間は
社会保険に加入させてくれません。
「社会保険完備」と募集要項に書いてあったので
期待していたのですが、会社がそう決めていたら
加入してもらえるよう要求できないのでしょうか。
ここでお互いの主張を整理します。
Aの主張
たとえ試用期間中でもフルタイムで
働いているので社会保険に加入させてくれても
いいのではないのか?
Bの主張
実際にすぐにやめる人が多いので
なるべく保険料の無駄払いはしたくない。
「試用期間中は社会保険に加入することができないのか?」
という質問です。
たとえば試用期間中でも、あなたが法定の条件を
満たすのであれば加入させなければなりません。
社会保険は原則強制加入です。
[ad#ad-1]社会保険の強制被保険者
社会保険(ここでは狭義の社会保険として
健康保険と厚生年金保険をいいます。)の適用
事業所に使用される人は、一部の適用除外
となる人を除き、その意思にかかわらず、
初めて勤務に就く日から必ず被保険者となります。
適応事業所には強制適応事業所と
任意適応事業所とがあり、会社などの
法人はすべて強制適用事業所です。
従ってあなたが適用除外者でない限り
いやでも最初から社会保険の被保険者
となります。
適応除外者
適応除外者とは、次のいずれかに該当する人
の事をさします。(健康保険法第13条)
①二か月以内の期間定めて雇われている人
(ただし、所定期間を超えて引き続き雇われる
ようになった場合を除く)
②日々雇い入れられている人
(ただし、一か月を超えて引き続き雇われる
ようになった場合を除く)
③季節的業務に雇われる人
(ただし当初から四か月を超えて雇われる
場合を除く)
この他船員保険の被保険者などもありますが、
本文に直接関係しないものは省略します。
ところで、これらの法定の適用除外に該当
せず適応事業所で働く人であっても、例えば
パートタイマーやアルバイトなど、中には社会保険
に加入できない人もいます。
また、同じパートタイマーでも、加入する人と
加入しない人に別れることもあります。
それは、次のいずれかに該当する人は
「常用的使用関係」にないという理由で
昭和55年の通達によって、やはり社会保険の
適応除外とされているからなのです。
- 一日、または一週間勤務時間が、その事業所
で同種の業務を行う、一般従業員労働時間の
おおむね四分の三未満である人
2.一か月の勤務日数が、その事業所
で同署の業務を行う、一般従業員の
労働日数の概ね四分の三未満である人
※ただし四分の三いう数字は目安であり
社会保険事務所等の判断により「四分の三」
未満でも適用されることがあります。
つまり、パートタイマーはいわゆる正社員の
所定労働時間(日)の四分の三以上は働かないと
社会保険の適応除外となります。
例えば一日の所定労働時間が八時間の事業所で
所定労働時間を六時間未満とされているパートタイマー
適応除外となります。
実際には今回のケースのように社会保険に
加入すべき人を会社が、加入させないということも
よくあることです。
結論は
たしかにせっかく社会保険に加入させた
従業員に入社後すぐにやめられてしまっては
会社としても、痛手ですね。
B社の気持ちもわからないではありませんが
社会保険加入はAさんの権利であり、B社の義務
なのです。もしAさんが社会保険の被保険者と
なるべきであるにもかかわらず、B社が加入
させてくれないのであれば、会社を管轄
する、社会保険事務所に相談してみると
いいでしょう。
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