レジオネラ菌梅雨の季節は要注意!
日本の公衆浴場では普通にみられる細菌です。
また自宅でも24時間循環風呂
を利用している家では要注意です。
全国の温泉施設には言うに及ばず
温泉付きマンション
介護施設も同様です。
レジオネラ菌は“好気性菌(こうきせいきん)”です。
“レジオネラ”と言っても種類は50種以上あります。
簡単に言うと、 「酸素の存在下で発育する細菌」なのです。
繁殖には感染はどういう条件があるのでしょう。
「5つのキーワード」がそろってしまうと
「増殖」+「感染リスク」 が飛躍的に上がると
おもわれます。
キーワード1 40℃前後
温泉施設はレジオネラ菌にとって適温
温度設定をいろいろと変えて「ぬる湯」「あつ湯」 等がありますが、
ほとんどは38℃~41℃近辺に設定されている浴槽が多いです。
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一般にバクテリアは 31.5℃を超えた段階、
レジオネラ菌は39℃近辺で急激に増殖を開始し、
60℃を超えると徐々に死滅し始めます。
キーワード2人間の汗
当然の事ですが、人間が入浴すると汗を出します。
化学的にはアンモニア(NH3)ですが、
この窒素化合物 (N)分がバクテリアのエサとなります。
(アンモニア・尿素など) 一般的には、平均的な入浴で
1人600ccの汗を出す。と言うデータがあります。
キーワード3ろ過器の設置
環式温浴施設の場合、「ろ過器」が設置されています。
このろ過器内にバクテリアが
バイオフィルム化(生物 膜化)して身を
潜めているケースがほとんどです。
重曹(炭酸水素ナトリウム)泉以外の一般単純温泉で、
浴槽が「ヌルっ」とした場合、配管内、
浴槽内にもい るかも知れません。
キーワード4弱アルカリ性
国内における一般的な「単純温泉」の場合、
ナトリウム、カリウム、カルシウム等を多く含み、
PH が 「7後半」 の「弱アルカリ泉」が最も多いとされます。
キーワード5ジャグジー・シャワー
施設の演出でジャグジー・打たせ・シャワーなどを
発生させる浴槽があります。 レジオネラ菌が発生している場合、
このミスト状のエアロゾルに乗り人間の呼吸に
よって肺に取り込まれて感染致します。
報道内容では?
盛岡市保健所は3日までに、
市内で発生したレジオネラ菌の集団感染について、
同市向中野の公衆浴場「銭湯岩手山」が原因施設であると判断し、
公衆浴場法に 基づき60日間の営業停止処分としました。
併せて、患者のうち市内の70代男性が2日早朝に
死亡したと発表した。銭湯は八戸市の
「りんご温泉津軽グループ」が 運営していた。
保健所によると、5月中旬から下旬にかけて、
50~80代の男女12人が相次いで発症。
調査で全員が4月下旬から5月下旬に銭湯を
利用していたことが分かった。
立ち入り検査で、浴槽などから基準値を上回る
レジオネラ菌を検出。患者の菌と一致したことから、
原因施設と断定し、衛生管理に違反があったとして
1日付で営業停止命令を出しました。
死亡した男性は5月上旬に利用後、同中旬に肺炎を発症し入院していた。
他の11人のうち8人は現在も入院中で、残る3人も通院しているという。
同グループの日向義孝代表は「問題が指摘されたため、
責任を取って先月中に(銭湯の)廃業を決めた」と話しました。
レジオネラ菌によって引き起こされるレジオネラ症とは
レジオネラ属菌を包んだ直径15μm以下の
エアーゾルを吸入することにより
起こる気道感染症です。
症状は悪寒、高熱、全身倦怠感、筋肉痛 などが起こり、
呼吸器症状として痰の少ない咳、少量の粘性痰、
胸痛、呼吸困難などが現れ症状は日
に追って重たくなっていきます。
レジオネラ肺炎は健常者もかかりますが、
体の弱い高齢者、幼弱者にかかり易い
傾向にあり潜伏期間は通常一週間です。
最近の事故では、施設の経営者は
業務上過失致死傷容疑で捜査を受けています。
レジオネラ属菌は環境細菌であり土壌、
河川、湖沼などの自然環境に生息していますが、
循環式浴槽など水温が20℃以上の環境ではアメーバー、
繊毛虫など細菌を餌とする原生動物が生息しています。
これらの細菌に取り込まれたレジオネラ属菌
は死滅することなく細胞内で増殖することができるため
塩素消毒で確実に殺菌できない場合がでてきます。
まとめ
調査によると
現在、日本の浴場施設の60%でアメーバが、
30%以上でレジオネラ菌が検出されています!
アメーバーがレジオネラ菌の宿主で、
バイオフィルムはアメーバーの巣窟です。
ゆえに日本の温泉施設では
普通にいる細菌だということです。
消極的対策になりますが。
公衆浴場はできるだけ利用しない
ということになります。
過去の感染ケース
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