かんさい熱視線「緊急事態宣言 私たちの生活は」
2020年4月10日(金) 23時40分~24時52分
金澤ますみ(桃山学院大学)さんが出演。
金澤ますみのプロフィール
桃山学院大学社会学部社会福祉学科准教授。児童相談所一時保護所嘱託指導員、社会福祉士養成の専門学校教員を経て、2005年度より大阪府教育委員会スクールソーシャルワーカーとして活動。社会福祉士。2014年4月より現職桃山学院大学社会学部社会福祉学科准教授。
専門は、児童福祉、スクールソーシャルワーク、司法福祉。共著に『学校という場で人はどう生きているのか』(北大路書房、2003)
学校をプラットフォームとした取り組み
ソーシャルワーカーとは、社会福祉士や精神保健福祉士といった福祉の専門資格を持ち、生活の困りごとや不安を抱えている人に対して問題解決の道案内をする専門職です。
児童相談所で子どもに関する支援をしたり、市町村の福祉課などで住民の相談を受けたり、病院で患者さんの自立を支援したりしています。
そして、学校という教育の分野で活動するソーシャルワーカーが「スクールソーシャルワーカー(SSW)」で、生徒が学校生活を送る上でのさまざまな困りごとの解決を図るために、生徒を取り巻く環境に働きかけて支援を行います。
学校では、障がいのある生徒や外国にルーツをもつ生徒も一緒に学んでいます。SSWは、どの子にとっても学校が意義ある空間になるように、その子の事情に適した協力者を外部に求めて手をつなぎに行く、コーディネーターの役割を担っています。
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日本では、悩みがあっても公的な機関や専門家に相談するという文化が根付いておらず、「こんなことを人に言うのは恥ずかしい」と考え、解決できずに悩んでいる人が少なくありません。SSWは子どもに寄り添いながら、抱えている問題を引き出し、その生徒に応じた解決のための「つながり」をつくる水先案内人なのです。
1990年ころから学校(スクール)ソーシャルワークが注目されるようになった大きな要因は児童虐待があげられます。
SSWは子どもたちが学校で生活を送る上で、生じてくる問題とその背景にある環境がどのように関連しているか見極める実際に人と人人と制度をつなぎながら環境設定を行う仕事。
子供の教育権保証と生活環境改善を目指す。
この視点にたったら、学校内で子供が問題行動を起こすことや学校に来られない背景にはネグレクトや児童虐待が関係していることが少なくないのです。