東京都の市場の移転問題で、豊洲市場の敷地内に整備される予定の観光施設の運営会社『万葉倶楽部』が、小池知事が示した基本方針によって築地市場も観光拠点として再開発されれば採算が取れなくなるとして、このままでは豊洲から撤退せざるをえないとする意向を東京都に伝えていたことがわかりました。
「千客万来施設」は、築地特有のにぎわいを豊洲市場で継承・発展させるためとして東京都が民間企業の協力を得て、豊洲市場の敷地に整備する観光施設です。国内外から多くの観光客を呼び込むことで移転後の市場業者の経営をサポートする効果も期待されています。
公募の結果、江戸の町並みをイメージした商業施設と、温泉や宿泊が楽しめるレジャー施設を提案した神奈川県に本社のある『万葉倶楽部』に運営会社が整備・運営を担当することが決まっています。
事業計画では、商業施設は豊洲市場に隣接する立地をいかして生鮮食料品などを販売し、開業は来年8月で、年間138万人の来場を見込んでいます。
また、レジャー施設は24時間楽しめる温泉や臨海部の眺望をいかしたホテルを整備し、開業は再来年8月、年間55万人の来場を見込んでいます。
建設工事はことし1月から始まる予定でしたが、豊洲への移転が延期されたことで着工できず、3年後の東京オリンピック・パラリンピックの開催前を目指した開業は、大会後にずれ込む可能性が強まっています。このため、運営会社はこれまで東京都に対し、豊洲に早期に移転するよう求めていました。
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万葉倶楽部が先客万来施設から撤退を決めた理由
●今回の申し入れは小池知事が先月、豊洲に移転したあと築地を食のテーマパークとして再開発する基本方針を示したことを受け、この運営会社は事業の前提条件が変更され、このままでは豊洲から撤退せざるをえませんと。
●いきなり条件を半ば思いつきで変更したのは都側である。しかも小池知事の主導で行われた模様で、都事務方も詳しく把握できていません。
●東京都は、現在、協議を進めていますが、東京都によると、仮に会社の撤退が決まった場合は、前提条件を変更した都側に違約金の支払いが発生する可能性があるということです。
豊洲千客万来施設ってどんな施設
「千客万来施設」とは、現在の築地場外市場のような物販・飲食機能に加えて、温浴・宿泊施設も備えた大型の複合商業施設。
東京都の公募の結果、当初は「喜代村」(「すしざんまい」運営企業)と「大和ハウス工業」により運営される予定であったが、条件が折り合わなかったとしていずれも2015年に撤退。
再公募の末、2016年3月に、全国で温浴施設を運営する「万葉倶楽部」の運営となることが決まった。
万葉倶楽部では、千客万来施設の運営コンセプトを「豊洲江戸前市場」と定めており、江戸の街並みを再現した飲食街と物販施設(合わせて200店舗前後の規模)、そして24時間営業の温浴・宿泊の機能も兼ね備えた建物を新築する予定で、国内外から年間193万人の来場者を見込んでいた。
千客万来施設イメージ画像
【後記】
このまま万葉倶楽部が撤退してしまうと、東京都側には多額の違約金が発生する可能性もあります。
現在、豊洲市場本体の工事がほぼ終了しているのに対し、千客万来施設は運営者再公募の時点で開業が延期されたうえ、豊洲市場の供用開始延期により工事着工も再延期されており、更地のままとなっています。
また市場移転問題に暗雲が立ち込めました。
小池さん都民ファーストも大事だが都政には待ったなしの問題が!
国政など考えている暇はないのでは。
待機児童の問題も緊急課題です。
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