野島千恵子さんインクルーシブ保育の第一人者
と呼ばれている保育士です。
インクルーシブ教育とはどういう教育かといえば
国連ユネスコ特殊教育部門のレナ・サレー(Saleh.L)氏は
「すべての子どものための普遍的な教育を実現しようと、
学校制度が努力していく過程の 中で、すべての子供たちに対して
通常の学校が門戸をオープンに開いていく」という観点に立って、
インクルーシブな学校(Inclusive School)を
①すべての児童・生徒が属し、受け入れられ、援助を受けられる場であり、同級生や仲間、学校社会の全員にサポートされる場
②子どもによって異なる学習スタイルやペースを受容し、それを育む場
③適切なカリキュラム、学校組織、リソースの利用、地域社会とのパートナーシップを通して教育の平等を保障する場
と定義づけている。 インクルーシブInclusiveとは、包含する、含まれるという意味である。
と定義しています。
これを保育の場に取り入れたのが、インクルーシブ保育です。
野島千恵子さんの保育園
社会福祉法人幼保連携型認定こども園淡路聖愛園を運営されています。
野島千恵子さんは淡路聖愛苑の園長をされています。
”淡路”とは淡路島ではなく、大阪府東淀川区淡路という
保育園の立地に由来するようです。
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淡路聖愛苑の教育方針
野島千恵子さんの方針
幼稚園時代から、障がいをもつい子どもを受け入れて37年余り、卒業証書も3,000号台となり、淡路に根を下ろしてからの歴史を感じます。その当時の障 がい児が大人になり40才を超え地域の施設で生活しています。そういう長い歴史を持つ障がい児共同保育を中心に保育は進められてきました。「障がいをもつ 子も持たない子もひとりひとりの違いを大切にし、互いに育ちあう仲間作りを!」をめざし、その保育の中から、時間の枠の外れた夜間の子ども達や保育所・幼 稚園の枠から外れた地域のおかあちゃんの子育てなど、障がい児共同保育は障がい児に寄り添うことを通して、ある枠からはみ出る子どもや親に寄り添うことに 気づかされました。障害をもつ子どもを含めた当たり前の保育の中で、子ども達が自分を大切に思え、人との違いを受け止められる人に育ってくれることを願っ ています。障がいを持たない子どもは障がいを持つ子どもとの生活を通して、さまざまに違いをもつ人たちとともに生きていくしなやかな心と強い力を持つこと ができ生身の付き合いの中で「愛」と「感動」のドラマが未知で困難の多い社会の中で幸せで、より豊かな人生を送っていけるように、子育てを通して子どもも 大人もお互いが育っていける、そういう雰囲気をもったこども園を作りたいと願っています。
インクルーシブ教育の利点
(1)子どもは障害に関係なくすべての仲間と関わることで利益を得られる。 行動上の問題がある子どもを肯定的で適切な行動が出来るように促進していく支援者は他の子どもにとっても非常に優れたモデルとなります。
また、他の子どもも肯定的な方法でその子に関わるだろうし、同様に他の子どもの関わり方にも良い影響を与える可能性が指摘されています。
(2)支援者や支援の場に関わる周囲の大人は、特別なニーズをもった子どもとの関わりによって利益を得られる。 行動上に困難のある子どもに対する支援者が望ましい態度を示すことは、
その子どもと相互に関わっている他の大人にも影響を与える。不適切な行動に隠れていた本来のその子どもの愛すべき姿を知るようになると、大人が抱く根拠のない話や誤解を訂正することができる。
(3)子どもやその両親が肯定的でインクルージョンされた就学前教育を受けていると、保護者は小学校の普通学級を選ぶ傾向に。
もし、支援者が子ども自身ではなく子どもの行動に問題があることに気がつくと、肯定的な行動を促進するため、支援者と両親が協力して効果的な方略の計画を 立てることが出来る。
このことが後々には両親がわが子を継続して普通学級に入れることを選択するきっかけとなる可能性があります。
(4)特別な教育ニーズのある子どもの保育や教育に良い実践をすることは、同じ環境にいるすべての子どもにとっても行動の改善につながります。
波及効果のように支援者が行動上の問題がある子どもと一緒に活動するために、望ましい行動への方略を計画すると、
彼らは特別な教育ニーズを持つ子どもに対しても他の子どもに対しても、自然と肯定的で効果的な方法を考え出すことが出来ます。
インクルーシブ教育の欠点
(1)教育コストがかかる。やはり普通の保母さんよりスキルが高い分コスト高に
(2)あくまでインクルーシブは大人目線のシステムなので、
仮に障害のある子供からの目線がかけている場合も、それは健常者にもいいもの
というある種決めつけがある場合も
(3)健常な子供が障害をもつ子供の手助けをしてお互い成長するという
プラス面もあろうかと思いますが、この一緒に教育することによって
新たな差別やいじめが芽生える可能性も片や否定できません。
まとめ
最近よく言われる保育園の待機児童問題、
保育士の報酬が極端に低い件、
保育所の建設に地元より反対運動がおこる件
など保育に関するもんだいも多々あります。
このインクルーシブもいい面・悪い面がありなかなか教育の成果が一貫してとらえにくい
ため、どうしても教育を行う方は信念で教育するという風に
なってしまいがち、どのように客観的にインクルーシブ保育の
メリット・デメリッをデータ化するのか今後大きな課題だと思います。
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