逆転人生「命の逆転劇!医師と子どもたちの感動マンガ」
義男の空のモデル高橋義男医師が出演します。
2020年4月13日(月) 22時00分~22時45分
もし、あなたの子どもが難病で命の危機に陥ったら?苦悩する家族に寄り添い、前代未聞の手術に挑んだひとりの医師。その絆が予想もしない逆転劇へとつながる!感動の物語。
高橋義男医師略歴
脳神経外科医 1949年、北海道生まれ。 札幌医科大学卒業後、中村記念病院に勤務。 札医大、北海道立小児総合保健センター勤務などを経て、2005年、とまこまい脳神経外科、岩見沢脳神経外科、大川原脳神経外科病院、別海町立病院小児脳神経外科部長就任。
小さい頃セミが羽化する様子をどうしても見たくて夜中に観察しにいったことがあったらしい。でもセミって、羽化の最中に光を浴びたらそこで羽化がストップして死んでしまう。
知らなかったとはいえ、自分のせいでセミが命を落としてしまったことがものすごくショックだった。だから魚釣りも嫌いだった。自分のちょっとしたわがままが相手の人生に大きく影響することがあることを、高橋義男はその時に学んだ。
高校は札幌南校でラグビー部に所属。
大学受験浪人中に引っ越しのアルバイトを始め、予備校の進路相談でこのままだと息子さんはどの大学にも受からないと言われたらしい。母親に予備校もバイトも辞めさせられたという逸話も。
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義男の空のあらすじ(第1巻から第11巻)
第1巻のあらすじ
それは、誰が助けてくれますか―― 「水頭症です」夫婦に衝撃が走った。それまで穏やかに暮らしてきた、どこにでもいるごく平凡な家族。元気いっぱいの長男と、産まれたばかりの次男。
新しい家族が増え、希望に満ちた日々を過ごすはずだった。しかし、生後一カ月の次男に突然宣告された「水頭症」。その日から水頭症と家族の闘いが始まった。一刻を争う状況の中、翻弄され行き場を失っていく家族。この小さな命はどうなってしまうのか… 冷たい雨のように絶望が胸を打つ。そんな時、家族はひとりの医師のもとへ辿り着く。
「この先生ならきっと…」命を託せる何かがあった。第15回文化庁メディア芸術祭〔マンガ部門〕審査委員会推薦作品に選出された、実在する一人の医師と、その「仲間(かぞく)」の物語です。
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第2巻のあらすじ
昭和35年──高度経済成長期。
小学5年生になった義男は、
勉強の嫌いな、少しだけ悪ガキに成長し、
家の手伝いと遊びに駆け回る日々を送っていた。
そんなある日、義男は母から毛糸の手袋をもらうが…
そして現代。医師になった義男の元に
また、ひとつの家族が訪れる。
「裂脳症(れつのうしょう)」に侵された小さな命。
治療法のない裂脳症と診断が下されたとき、
両親が決断した答えとは…
第3巻のあらすじ
北海道・中札内村に生まれた少年・標(しるべ)。
「裂脳症(れつのうしょう)」という病に冒されるも、
高橋医師によって救われ、明るく平穏な日々を送っていた。
しかしある日、標の身体に異変が起こる。
小さな予兆だったそれは、やがて、
標や両親をも飲み込んでいく…。
じわじわと忍び寄る絶望の影──果たして標の運命は!?
そして昭和36年夏、小学6年生になった義男。
相変わらず悪ガキで、けれどいろんなことを学ぶ毎日。
ある日、セミの脱皮を見ようと、
部屋の中に幼虫を持ち込むが…?
第4巻
冬の北海道・函館市。
新たな命の誕生を目前に、 胸おどらせる
幸せな家族があった。
しかし、出産予定日の1ヶ月前。母親に異変が…。
泣かない赤ちゃん。「もう…あきらめましょう」
奇跡を信じる母親に担当医師の言葉がささる。
募る想いの中、1本の電話が鳴った。
「話をしたい」と母親に告げた医師の名は
小児脳神経外科医の高橋義男だった・・・。
そして昭和36年。小学生最後の冬を過ごす義男。
学校を休み続けたクラスメイト(同級生)が
心配になり、見舞いに通っていたが―――
ある一人の「医師」と、その「仲間 【かぞく】」の物語。
第5巻のあらすじ
生後間も無い我が子〝健助〟を高橋医師の元、
あきらめないで受けた手術の経過は良好だった。
退院を控え、明るい希望が家族をつつむ。
小さな命に向き合うそれぞれの想い。
家族の中に生き続ける“誇り”とは…。
そして、小学校卒業目前の義男少年は、
親友と離れ離れになることを知る。
避けられない別離を目前に、
さまざまな想いを抱え、卒業式を迎える…。
第6巻のあらすじ
海の見える病院に赴任した新人看護婦。
そこは、重度の患者が
多く入院している小児専門の病院だった。
新人看護婦が目の当たりにする医療の現場。
医療従事者同士のすれちがう治療方針。
戸惑いながらも過ぎていく日々の中、
ひとつの家族が
どうすることも出来ない現実に直面した時、
夕日に染まる病棟に、ある歌が響き渡った――。
そして、 12 歳の義男は、
新たな中学校への転入を余儀なくされる。
さらに、引越し後間もなくして
父の転勤が決まり、義男と姉の和子、
二人きりの生活が始まる…。
慣れない環境の下、
彼に訪れた心の変化とは?
第7巻のあらすじ
海の見える病院に赴任した
新人看護婦の佐藤が出会ったのは
「子どもの魔術師」の異名を持ち、
他の医師とは一風変わった
小児脳神経外科医の高橋義男だった――。
根治不可能でターミナルケアに入った少年。
家族は、最期を病院ではなく
自分の家で共に過ごしたいと願い
高橋医師はそれを後押しする。
高橋義男医師のいう
“こどもたちのみらい”とは?
そして時代は昭和30年代まで遡り、
物語は青年時代から高橋義男医師のルーツを追う。
第8巻のあらすじ
中学2年生の義男は、
友人を馬鹿にした同級生に殴りかかる。
担任教師からは責められるが、
自分の信念を曲げずに生きていこうと
心に誓うのだった。
しかしその時、共に暮らす老犬・ジョンに異変が起き…。
そして、時は現代へ。
新人看護婦・佐藤が担当した少女・真弓。
手術から約3年半、身寄りのない彼女は
長い入院生活を送っていた。
ある日、真弓のもとに一組の夫婦が訪れる。
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第9巻のあらすじ
北海道・浦河町で幸せな毎日を過ごしていた川原家。
しかし一歳にも満たない息子の亮が、
悪性リンパ腫――血液のガンと診断される。
病院からの容赦ない宣告に、
絶望の淵に追い詰められたとき、
髙橋義男医師の一言が、希望の光を照らしだす…
そして、時代は昭和30年代後半。
中学生の義男は、進路の決断に直面する。
義男は進学を希望し、奇跡的に札幌南高校に合格。
第10巻
待望の第二子誕生を待ちわびていた杉浦一家。
しかし臨月のある日、産婦人科の担当医から
お腹の子どもが「水頭症」の
可能性があると告げられる。
診断の結果は重度の脊髄髄膜瘤。
これから生まれてくる子どもに
障がいが現れる可能性があると知ったとき、
母親は何度も繰り返し葛藤する…
時は遡り、昭和40年代の札幌。
戦後の高度経済成長期を迎えた時代、
義男は孤独の中で生きる意味を模索していた。
一方、主将に任命されたラグビー部では
知恵を出し、一人ひとりの能力を活かして、
勝利を目指し突き進む!
第11巻のあらすじ
初めての勝利から数カ月。
主将・義男が率いる南高ラグビー部は
インターハイ優勝を目指し、急速に力をつけていた。
しかし地区大会直前の練習試合で
副主将の桜田が怪我を負い、出場不可能に…
ラグビー部危機的状況の中、
地区大会の幕が上がる!
そして物語は現代に…
重度の脊髄髄膜瘤(せきずいずいまくりゅう)で
生まれた杉浦家の次男・秀則。
緊迫した状況の中、わずかな可能性にかけて
高橋医師の手術を受ける。
無事手術は成功し、
順調に成長しているかに見えた秀則だったが、
そのちいさな身体に、大きな試練が襲う――!!
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難病の息子を抱えた父田中宏明さんが高橋義男医師を主人公にマンガを描いたわけ
田中宏明: ある日、ごはんを食べている先生に向かって聞いたんですよね。「先生のことを題材にして漫画を描きたいのですが、いいですか?」って。そしたらひとこと、「いいんじゃないか」(笑)。
僕は正しい生き方をしている人でなければ、自伝にならないと思っているんです。だから自伝漫画は僕にとって誇らしいものなんですが、内心は、先生に「とんでもない。やめてくれ」って言われるんじゃないかと思っていました。
高橋義男:自分のことを描かれるのは恥ずかしいって思ってましたよ。ただね、その時にも伝えたけど、仲間や同じ生き方をしている人をうまく描いてくれればいいなと思ったんです。それから、それを読んで、同じことを考えている人が何かを感じてくれて、それを磨いていってくれたらいいな、僕の生き方にしろ家族の生き方にしろ、そこに奇跡とか、可能性とか感じる人間が少しでも増えればいいなってね。
田中宏明: 僕が漫画を描こうと決めたのは、病院の待合室でした。ぼんやりと先生のことを考えていた時です。「高橋先生はなぜ人のためにここまでできるんだろう。先生は人間としてものすごく大事なものを持ってる。僕は、医者というよりも高橋義男という人間に、水頭症と闘う子どもの命を託した。みんな(子どもたちの親)もそうだ。どうしてそんな人間ができたんだろう」って。それで単純に、先生のルーツが知りたい、そう思ったんです。
漫画は僕の特技だし、何かに活かしたいとずっと夢見ていたんですが、具体的ではなかった。ただ、息子の状態がちょっとでも良くなったら、必ず人に還元したい、人の役に立ちたいと心から思うようになっていました。
高橋義男: この物語ができて、僕も最近思うようになったことがあるんです。名前は実名だし、まわりで起こったいろんなこともそっくりそのまま描かれているし、少しは抵抗もあったけど、「人間ってどうなんだろう」って思うようになったんです。
同じように生きている人間、同じ価値観を持っている人間がそれぞればらばらでいる必要はないんじゃないか、そういう人間たちがクロスオーバーしていくことが大事なんだなって思ってます。
待ってるだけじゃなくて、漫画をとおして交わっていければいいんじゃないかってね。
この対談は平成19年10月18日に行われたものです。