春名幹男さんは元ジャーナリスト大阪外国語大学ドイツ語学科を卒業して共同通信社入社の経歴を持つジャーナリスト。
昨年の米国大統領選あたりからテレビでよく見かけるようになりました。ドナルド・トランプが大統領就任してからも、需要がおおくテレビによく出ておられます。
春名幹男さんはドナルド・トランプにたいしてどういう考えを持っているのか?
著書に「秘密のファイル―CIAの対日工作」(新潟文庫)という本を出版しています。
膨大な資料から検証した労作です。この内容も紹介します。
春名幹男プロフィール
1946年生まれ。
69年大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒と同時に
共同通信社に入社、大阪支社、京都支局などを経て
74年に外信部配属。
外信部やニューヨーク支局を経て
84年に外信部。
ワシントン支局を経て90年外信部次長、
93年ワシントン支局長、
97年から編集委員兼論説委員、論説副委員長兼編集委員、
特別編集委員などを歴任し
2007年に退社。
名古屋大学大学院教授などを経て
010年から早稲田大学大学院客員教授。
94年度「ボーン・上田記念国際記者賞」や「日本記者クラブ賞」を受賞。
日米中心に国際報道で活躍。米国政治・安全保障など国際問題に詳しい。
著書は
「秘密のファイル―CIAの対日工作」(新潟文庫)
「21世紀の戦争」(文藝春秋社)
「二十一世紀型の戦争」(共著=角川書店)
「米中枢同時テロ事件」(共同通信社)
など多数。
春名幹男がトランプを語る
春名幹男が2016年12月16日に飼いた記事の一部
トランプ政権をよく分析しています。
今現在2017年2月3日選挙戦中にはいかに荒唐無稽に見えていた選挙公約が現実味を帯びてきました。
ドナルド・トランプの実行力には疑問符がついていたが、実行力もすごい事がわかった。
まさに先行してマティス国防長官が3日午後に日本に到着します。
3日に安倍首相と会談するほか、4日午前には稲田防衛相と会談します。
どういう話合いが持たれるにせよこの超積極的なアメリカ政府のペースに巻き込まれ判断を謝ることの無いようにお願いしたいです。春名幹男のいうそれなりの覚悟は必要です。
稲田さん腹をくくってくださいよ!
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アメリカではトランプ政権の閣僚候補がほぼ出揃い、1月の新政権発足を待つばかりとなった。ウィスコンシン州で行われていた投票の再集計の結果、トランプの勝利は変わらず。また、ミシガン州とペンシルベニア州の再集計請求も、州の裁判所によって退けられた。
12月19日の選挙人投票で一波乱起きる可能性は残されているが、来年1月から日本が、不動産王ドナルド・トランプ率いるアメリカ政府を相手にしなければならないことは、ほぼ確実な情勢となった。
トランプ政権については様々な観測が流れているが、一言でいえば「予測不可能」というのが、衆目の一致するところのようだ。確かにトランプ自身が行政経験や公職経験が皆無な上、閣僚にも国務長官に内定しているティラーソン・エクソンモービルCEOを筆頭に、政治的にはほとんど未知数のワシントンアウトサイダーが名を連ねる。
しかも、その多くは、政権の政策に対して個人的な利害を抱える利害当事者ばかりだ。これで政権の方向性を予想しろというのが、無理な相談かもしれない。
トランプは先の選挙戦で、数々の奇天烈とも荒唐無稽とも言われる法外な政策をぶちあげてきた。その多くはあまりにも非現実的なため、「実際に大統領になれば、もう少し普通になるだろう」とする祈りのような予想をする専門家は多い。
しかし、トランプ政権を甘く見てはいけない。日本のメディアではトランプが選挙戦中、メキシコや中国やイスラム教徒を目の敵にした発言が、多く報道された。しかし、トランプは明らかに日本も対峙する対象として視野に入れている。日米安保の片務性や日本の防衛力の強化、ひいては日本の核武装容認にまで言及したのも、自分たちがいいようにしてやられている日本に対して、アメリカが一方的に防衛義務を負っているのはおかしいではないかという考え方が根底にある。
今後、トランプ政権から飛び出してくるかもしれない予想外の要求は、これまで日本が採用してきた日米安保を基軸とする軽武装・経済優先の政策路線にも大きな転換を強いることになる可能性がある。そうなれば日本の民主主義の強靭さが改めて問われる局面も出てくるかもしれない。
ロシアのクリミア併合や中国の南シナ海での埋め立て、そしてブレグジットにトランプ政権の誕生と、明らかに世界は新しい時代に突入している。
アメリカと協力して第二次大戦後の秩序の維持を図っていきたいと考えていた日本も、肝心のアメリカに既存の秩序を否定する政権が誕生してしまった以上、それなりの覚悟が必要になるだろう。
また別の対談ではこう述べています。
トーンで言えば8年前はポジティブな政治意識が変化を求めたのですが、今回はネガティブな面が前面に出て全然違う状況だと思います。
このまま行けば自分たちはどん底に押しやられたままだという底辺の怒りが爆発した。
それがトランプ支持となっている。格差が拡大し自分たちの将来に希望が持てない、という気持ちがサンダース支持となっている。
トランプとサンダースに人気が集まっているというのは同じで、既成のワシントン政治に対する「ノー」という声なのだと思います。
春名幹男『秘密のファイルーCIAの対日工作』
初版は2000年共同通信社。
出典:http://nikkidoku.exblog.jp/5101368/
著者は、米国公立文書館で十万ページを超える秘密文書に目を通し、数万ページをコピー、連載時は在日米大使館で毎回翻訳され、米政府内に配布されていた。
昨今、アメリカの対日工作に対して大勢の人が知るようになりましたが、現在読んでも重要な本です。
下記は内容メモ
初代CIA東京支局長であったポール・チャールズ・ブルームと、彼に執事として雇われた成松孝安の奇妙な出会いについて紹介。ブルームは自宅で毎月著名人を集めた夕食会「火曜会」を開催、中でも、
・笠新太郎(朝日新聞論説主幹)
・松本重治(国際文化会館理事長)
・松方三郎(共同通信社専務理事)
・浦松佐美太郎(評論家)
・東畑精一(農業経済学)
・蝋山政道(政治学)
・前田多門(元文相)
・佐島敬愛(信越化学取締役)の8人の常連については、「8人のサムライ」と呼んでいた。
1953年に、火曜会は解散され、成松はブルーム邸を”円満退社”したが、退職金を現金で与える代わりに、スパゲティ屋の資本金を集めてもらった。店の名前もブルームが考えたその店は、後に全国展開し、日本のスパゲティ料理店の草分けとして有名になる”壁の穴”である。
東西冷戦から1990年代までのCIAの対日工作として、秘密工作部門の大物で、葉山の住人の一人だったデズモンド・フィッツジェラルドが、「チャイナ・ミッション」と呼ばれる秘密工作、すなわち、「中国人を、横須賀、厚木、茅ヶ崎の秘密の施設で訓練する」という対中工作を指揮していた。
ベトナム戦争に対して、日本の市民運動の原型として成長した「ベトナムに平和を!市民連合」(べ平連)が、表面の市民グループと別に、非公然の地下組織、「反戦脱走米兵援助日本技術委員会」(JATEC)という二重構造でできていたこと、JASTECの脱走米兵逃亡ルートをつぶすために、米情報機関からスパイとして偽逃亡兵が紛れ込んだこと等。
政界工作に関しては、GHQの参謀第二部(G2、情報)民間情報局内に、吉田茂追放の論議があったこと、米情報機関と吉田らの”暗闘”が展開されたであろうこと、吉田が「アメリカ政府要人らに対しては、意図的に、毒のない好人物を演じ」ていたこと(中には「彼はどう見ても精力的で野心的な政治家ではなく、温和でのんきそうな地方名士といった感じを与えます」という印象を記している者もいる)等。
安保騒動では、自民党が「全学連と戦う学生グループの創設に努力したが、不十分な資金しかなく、負けてしまいそう」であるとして、右翼や体育会系学生らを動員する資金をCIAが調達したといわれていることや、60年安保を機に、「日本では政治家と右翼とやくざの関係がぐっと近くなった」・・・・など。
【上巻目次】
序章 コリングウッド
第1章 日米開戦への道
第2章 祖国との決別
第3章 CIA対日工作の源流
第4章 反共への急カーブ
第5章 日本の黒い霧
第6章 日本改造【下巻目次】
第7章 反共工作基地
第8章 政界工作
第9章 情報戦争のいま
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