6月13日 NHK総合テレビ プロフェッショナル 仕事の流儀
にフォントデザイナー藤田重信さんが出演します。
フォントデザイナーとは耳慣れない職業です。
我々がPCで普段使っている、フォントをデザインする仕事ですね。
たとえば、よく使う明朝体・ゴシック体・楷書体などそれに
MS明朝やHGP~体とかAR~体とかいろんなフォントが
PCには最初から基本で備わっています。
またウィンドウズとMACでも違った書体が見られます。
我々は普段意識していませんが、ネット上で文章を書いたり、
広告の作成現場などでは書体はかなり大事なファクター
であるに違いありません。
書体一つで大きく雰囲気が変わり、商品などの売り上げに
大きく差が出るという話しも聞きます。
そんなフォントデザインをしている藤田重信さんの経歴や仕事ぶり、
フォントを開発するとき考えなどを紹介したいと思います。
藤田重信の経歴
■氏名:藤田重信(ふじたしげのぶ)
■生年:1957年生まれ
■最終学歴:筑陽学園高校デザイン科卒
■書体デザイナー歴
1975年株式会社写研入社(文学部所属)
書体デザイナーとしてのキャリアをスタートさせます。
1988年フォントワークス株式会社 入社(書体開発部 所属)
2010年筑紫オールド明朝と筑紫丸ゴシックで
東京TDC賞を受賞しました。
現在フォントワークス株式会社
書体開発部部長
藤田重信の会社
フォントワークス株式会社に在職中です。
おもに同社のフォントの開発にあたっています。
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藤田重信の書体の特徴
写研に入社した藤田重信が見た書体
石井明朝と本蘭明朝
藤田重信が筑陽学園高校デザイン科に在学中に
先生に入社を勧められた会社
写真植字機研究略して写研という会社でした。
石井明朝は写研の創業者の石井茂吉さんが制作した、同社の主力書体です。
一方本蘭明朝は比較的新しい書体です。
驚くことに、20代の藤田重信さんはファッションに興味を持ち
書体にはきょうみがなかった?
特にトラッドに興味を持ちラルフ・ローレンに夢中になりました。
そんな折自分の仕事に目をやると、明朝体はやはりトラディショナル
であると考えました。
そう考え改めて石井明朝に目をやると、その凄さにきずいたそうです。
本蘭明朝も好きな書体でしたが、石井明朝に気持ちが強く動いたそうです。
実は写研ではかなのデザインは仮名のデザインはほとんどやっていませんでした。
写研でも仮名のデザインができる人は熟練の2、3人の方だけ。
だから若い藤田重信さんにはかなの仕事は任されなかったのでしょう。
ほかのデザイナーは主に漢字を担当するという役割分担でした。
そういった仕事の中で、石井明朝のような書体を作りたいと、
強く考えるようになりました。

藤田重信の暴れる書体とは
藤田重信がつくるフォントの特徴は、文字そのものが「緊張感」「おいしそう」「重厚感」といったイメージを“つぶやく書体”と評されれます。
その製作スタイルは、 型破り。たとえば明朝体であれば、多くの書体デザイナーが筆を用いてデザインするところを、藤田は全ての作業をPCの中で完結させます。
「ハネ」や「止め」 「カーブ」なども文字ごとに基準値が細かく設定されているが、藤田はその基準値をギリギリまで攻め、限られた範囲の中で文字を躍動させていく。
時に、“文字が暴れている”“邪道だ”という表現されることもあるが、藤田重信は「客が良い書体だ、と言ってくれればやり方は問題じゃない」と自らのスタイルを貫き通し、を込めていきます。
筑紫Cの書体が”あばれている”というゆえんでしょうね!

代表的な筑紫明朝体

筑紫オールド明朝『この男歴史を狂わす』

MACに「クレー」「筑紫A丸ゴシック」と「筑紫B丸ゴシック」が標準搭載
去年9月、MACが標準装備するフォントを新たに追加、
グラフィックデザインに携わる者たちを中心に大きな話題となりました。
ウィンドウズパソコンの方は残念ながら使えません。
中でも デザインの可能性に幅が広がる、と注目を集めたのが、硬筆の味わいをもつ「クレー」、特徴的な丸みを持つ「筑紫A丸ゴシック」と「筑紫B丸ゴシック」です。
藤田重信はこれらの書体を、ひらがな・カタカナ・漢字などおよそ3万字を5年の歳月をかけ、
一から生み出しました。
本当に根気のいる仕事、情熱が無いと成し遂げられない仕事です。
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