サマンサタバサの巧みな価格戦略とは
20周年を迎えたバッグ販売大手
サマンサタバサジャパンリミテッド。
巧みな価格戦略が光っています。
この間1万円から始まった主力商品
価格帯を段階的に5万円にまで上げ
昨秋には10万円代もある
最上位ブランドの展開も始めた。
いかに消費者を納得させる付加価値を
つけ価格を少しずつ上げていくか。
高級らせんに向けたサマンサの
価格術は?
5月の平日よる新宿伊勢丹の
本館1階女性ハンドバッグ売り場
で女性が目を細めていたのはサマンサが
20周年に合わせて昨秋投入の最上位ブランド
「ラプリュム・サマンサタバサ」10万円台の
バッグを手に取り「色が素敵でかわいい。
おしゃれして出かけるときに、持っていきたい」
と興味を示していた。
周囲には「プラダ」「セリーヌ」「サンローラン」
などの名高い海外ブランドが並びます。
三越伊勢丹によると「バッグのラグジュアリー化で
8~9割が海外製になり、日本製がほしかった」
と打ち明けました。
折からの円安で7万から10万の海外ブランド
のバッグが10~12万に高騰、
サマンサのラプリュムは隙間となった
価格帯を埋める役割も。
サマンサはリーマンショックの
一時期を除き、1994年の創業以来
平均して4,5年に一万円という緩やかな
ペースで製品価格の値上げを
おこなってきました。
「ほとんど消費者がきづかないように
少しずつあげるのがコツ」と
同社社長の寺田和正氏が述べています。
例えば2万円台が主力だったら、
それより高い3万円台の構成比を
5%から始め10%、15%と少しずつ
高めていきます。
必然的に2万円台の商品は
減りますが、300種類と品ぞろえが豊富で
新商品は毎週投入することもあります。
売り場の商品の変化は小幅のため、
価格が上昇したことに、さほど消費者は
違和感を覚えない。
「狙っている価格帯の売上高が
全体の25%を超えたら、その価格帯
が世間に認められたということ」
という確信が、寺田社長にはあるようです。
その段階で一気に3万円台の商品を
増やしていく。
勿論価格をあげるだけではなく
その時々で商品には付加価値を
付けてきました。
このあたりが、サマンサタバサの
上手なところでしょう。
タダの値上げにならないところが、
サマンサタバサではまず
10万円の「ラプリュム」を定着させ
次の高価格帯の商品の展開を
目指しています。
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