世界の何だコレ!?ミステリー【日本でも感染拡大!恐怖の人食いバクテリアとは】
放送日:2016年10月26日(水) 19時57分~20時54分 フジTV系列
人食いバクテリア・・・名前に聞いただけで恐ろしいこの病気
もちろんこの名前は通称で、正式名称は「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」といいます。
発症すると急速に症状が悪化して手足が壊死、ひどい時には死に至る恐ろしい病気です。
その致死率は30%といわれています。
この30%の致死率は非常に高いといえます。
最初にこの劇症型溶血性レンサ球菌感染症が発見されたのは、アメリカでのこと
1987年のことでした。
我が国でも、最初の症例は1992年のこと
アメリカから遅れること5年
2015年8月末の時点で、昨年の患者数をすでに越え、過去最多の299人になったと国立感染症研究所が発表しました。
普段は重症化しないこの菌が、一部の場合に重症化してしまうのがいわゆる人食いバクテリア感染症だと言えます。
何がきっかけで重症化するのかは未だ全く分かっていません。
主な病原体は「A群溶血性レンサ球菌」といい、私たちの身のまわりに存在する細菌です。
子どもの15%~20%が喉などに保菌しているといわれ、この菌が引き起こす病気として知られているのが咽頭炎、とびひ、扁桃炎などです。通常は抗菌剤で治療が可能です。
のど風邪だと思っていたら、実はこの菌に感染していた(そして勝手に治った)ということも珍しくありません。皮膚の常在菌(=常に在る菌)と呼ばれる仲間でもあり、特に病気を引き起こすことなく、普通の人の皮膚に住み着いている菌でもあります。
ということで、劇症化した時が問題になるのであり、
通常はそんなに恐れる必要が無いといえます。
«高齢者は要注意»
高熱をだして、手足が腫れ激しい痛みを引き起こし、やがて筋肉が壊死してしまいます。
さらに、多臓器不全に陥るなど全身で症状が悪化、時には数時間で死に至ることも。致死率は高く、3割に達するため「人食いバクテリア」と呼ばれるのです。症状が劇症化するのは主に大人で、60代以上の高齢者に多いのが特徴です。
「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の症状
溶連菌は、のど風邪の原因になることもありますが、いわゆる「人食い(皮膚や筋肉が壊死する)」のような症状が出るのは、手足が最も多いです。強い痛みとともに赤く熱を持ってきてから、水ぶくれができて皮膚が黒く壊死(細胞が死ぬこと)してしまうまでは、1日から2日ということもあります。
他には発熱や嘔吐、下痢、血尿、意識がもうろうとするなど、進行すると様々な症状が出る病気です。
初期症状として、次の点があげられます。
①皮膚が赤く腫れる。
②喉が痛い。
③発熱があり体がだるい。
④血圧が下がっている。
②と③は風邪の症状にも似ているので、「たいしたことはない」「様子を見よう」などと思いがちですが、放っておいてはいけません! 今日は赤く腫れていた手足が、翌日には壊死しかけて紫色になるなど、ものすごいスピードで症状が悪化してしまうからです。
この時点で医者を受診しても手遅れとなる事があるので、非常に難しい病気です。

風邪だと思っていたのが、いきなり重篤化し急死と言うのは判断が困難です。
風邪だと医者に行かず、薬を飲んで済ます人が多いから。
「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」感染予防法は
では、感染しないためにはどうしたらよいのでしょう。
・うがいや手洗いを徹底する。
・マスクをする。
・傷口を清潔に保つ。
わからないことが多い「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」ですが、日常生活において上記の点に気をつけることで感染を防ぐ効果があります。
効果のはっきりとした予防法がない以上、現実的な対応としては、以下のような場合に医療機関受診を遅らせないことが重要と考えられます。
我慢ができないような患部の強い痛みがある
患部の赤みや腫れに加えて、高熱や強いだるさなどの症状がある
患部が赤くなった後に赤紫〜黒みを帯びてきた、水ぶくれができた
ただし、この時点では対応が遅れていると考えられます
糖尿病など、上に挙げた注意すべき点に当てはまる方
そして、早期発見と早期治療が症状の劇症化を防ぐといえるでしょう。
くれぐれも自己判断は極力避け早急に医療機関を受診してくださいね。