3月27日(月)プロフェショナル仕事の流儀 22:30~
山口桂が主役です。
人類の至宝を落札しようと、億単位の金が投じられる美術品オークション。世界最大を誇るアメリカ・ニューヨークのオークションハウスで活躍する、スゴ腕の日本人がいる。山口桂(53)。世界各地を飛び回り、オークションにかける美術品を集めるスペシャリスト。
専門は日本美術です。
本日番組では山口桂に密着します。
氏名:山口桂
生まれ:1963年東京生まれ。
暁星学園を経て立教大学文学部卒。
広告代理店勤務の後、’92-‘93年クリスティーズ・ロンドン及びニューヨークにて研修の後、’94年(株)クリスティーズ・ジャパン入社。
同社取締役副社長を経て2000年よりクリスティーズ・ニューヨーク日本・韓国美術部ヴァイス・プレジデント/シニア・スペシャリストとして勤務。
山口桂はなぜニューヨークで仕事をはじめたのか?
今の会社に入社後、ロンドンでの研修があり、その後10ヶ月程度ニューヨークでも研修をした。20年ほど前でロンドンのマーケットも強かったが、やはりニューヨークでは印象派の作品など、名品が高額で取引されており、とても感銘をうけた。
その後、東京支社で4、5年仕事をしたが、なんとなくもやもやしていた。というのも、東京ではオークションが行われないため、主に日本人顧客のお手伝いをしていたのだが、やはりオークションの現場で、自分がオークションを主宰して仕事がしたいと感じていた。
あるとき、ニューヨークの日本美術の部長がやめたことで、自分のところに後任探しをするよう依頼が来た。探したが、日本美術が分かっていて英語ができる人材がなかなかいなかった。
自分がいつかはそこに行きたいと考えていたこともあり、それでは自分はどうだと名乗り出たところ、最初はだめだと言われたが、他に人も見つからず、結局2000年から自分がそのポジションにつくことになりました。
山口桂はなぜオークションの仕事に?
もともと山口桂はアートは好きだった。
父親が日本美術の先生で、幼少の頃は、お茶や仏像など日本のことを叩き込まれて、それがいやでいやでしょうがなかったのです。
そういうこともあり中学以降はアメリカ文化万歳に。
ウォーホル、リキテンシュタインなどが素晴らしく、かっこ良く思ったし、音楽もロック、ジャズなどに夢中でした。
ただ、あるとき父親が1年間アメリカに研究に行くことになりました。
日本一筋の父親は英語も話せない、切符も買えないような人で、当時広告代理店を辞めた直後だった自分に一緒にきて身の回りの世話をしてくれないかと誘ってくれました。
一緒に行くと、米国の美術館の普通は入れない倉庫なんかにも入って色々なものを見れるということでした。
自分も旅行でニューヨークに行ったことはあったが長期に行ったことはなく、それは面白そうだと一緒に行くことにしました。
その1年の間に知り合ったクリスティーズの人がちょうど日本人を探しているということで、誘われて入ることになりました。
美術のプロとしての重要な部分は
山田桂さんは美術品のプロフェショナルとして重要な部分について
こう述べています。
スペシャリストに関して言えば、2つあって、美術に関する知識と、ただ、それだけではだめで、ビジネスマインドもとても重要で、そのバランスが一番大切だと考えています。
学者の方々は僕よりも知識は豊富だが、人付き合いであったり、金勘定ができなかったりする場合がある。オークションも一回一回コストをかけて用意していくもので、しっかり利益を上げていく必要がある。
逆に商売ばかりうまくても知識が乏しいと、贋作に高額の価格をつけてしまったりする場合があり、これもうまくいかない。その両者のバランスが大切。