ロシアゲート事件、FBIコミー長官がトランプ大統領に解任されたことにより新たな段階に入ってきました。
ロシアゲート疑惑・事件と呼ばれるのはこの事件がニクソン大統領のウォーター・ゲート事件と似通った疑惑であるため名づけられたものです。
ロシアが昨年の米大統領選に影響を及ぼした疑惑を巡る米連邦捜査局(FBI)捜査を監督する特別検察官にロバート・ミュラー元FBI長官を任命すると、米司法省が5月17日発表しました。
さてこの特別検察官の立場や仕事内容気になります。またロバート・ミュラーはアメリカではかなり有名人なのです。サンフランシスコ弁護士からFBI長官になった人です。
特別検察官の仕事
【1999年の出来た制度です。】
1999年に制定された連邦法によって、特にセンシティブな内容の犯罪捜査やその不正に基づく訴追事案に関し、司法長官は司法省の外から臨時の特別検察官を任命することができるとされました。
任命は、政治紛争によって正常のプロトコルが実施できない異常事態の場合に限定されるべきだとされています。
なんでもかんでも特別検察官を任命する事はできません。
特別検察官に任命された人物はその後60日以内に捜査予算をまとめ、司法長官から承認を得なければならないのです。
特別検察官は日常的に監督を受ける立場にはないが、「捜査や訴追に向けたあらゆる進展」に関して司法長官に報告するよう指示を受けることも。
今回の場合はジェフ・セッションズ司法長官が大統領選へのロシア関与疑惑に関する捜査に一切関与しないと表明しているため、司法副長官に報告することになる。
ロバート・ミュラー氏には、捜査のために必要な時間が十分に与えられています。
議会調査局の最近のリポートには、「予算編成のための年次報告は必要だが、特別検察官の権限に時間的な制約はないとみられる」と記載されています。
特別検察官は、より独立性の高い捜査や訴追の権限が与えられていて、これまで、アメリカ国内だけでなく海外からも大きな関心を集めた大統領や政府高官が関わった事件や疑惑の捜査を担ってきました。
その一つが1970年代前半に当時のニクソン大統領が辞任に追い込まれたウォーターゲート事件です。
この時、特別検察官に任命されたコックス氏は、ホワイトハウスに大統領執務室での会話を録音したテープの提出を命じましたが、ニクソン元大統領はこれを拒み、コックス氏を解任。その対応は大きな批判を浴びました。
この特別検察官の解任が後のニクソン辞任に繋がったとみられています。
また、クリントン元大統領がアーカンソー州知事時代に不正な融資に関わっていたのではないかとされる、いわゆるホワイトウォーター疑惑をめぐっても特別検察官が任命されました。
この疑惑について、クリントン夫妻の関与は立証されませんでしたが、当時の特別検察官の捜査はクリントン元大統領とホワイトハウスの元研修生の関係をめぐる偽証疑惑にも広がり、高い関心を集めました。
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【ロバートミュラーの経歴】
ロバート・スワン・ミュラー三世 (Robert Swan Mueller III, 1944年8月7日 – ) は、アメリカ合衆国の法律家、司法官僚。
2001年9月4日-2013年9月4日、第6代連邦捜査局(FBI)長官を務めました。
ジェイムズ・コミー前FBI長官の前に長官をしていた人です。
2017年5月17日、2016年の米国大統領選挙におけるロシアの干渉の捜査するよう司法省特別検察官に任命されました。
ジョージ・W・ブッシュ大統領
バラク・オバマ大統領
の時代にFBI長官をつとめています。
ロバート・ミュラーは1944年8月7日ニューヨーク生まれの72歳
母方の曾祖父はデラウェア・ラッカワナ・アンド・ウェスタン鉄道の社長を務めたウィリアム・トゥルースデールです。
彼の祖先はドイツ系、スコットランド系、イングランド系が含まれます。
1962年にセント・ポールズ・スクールを卒業し、プリンストン大学に進学、続いてニューヨーク大学で国際関係学を専攻し、1973年にバージニア大学法学大学院で法学博士の学位を取得しました。
入隊は
アメリカ海兵隊に入隊し、3年間にわたり士官を務め、ベトナム戦争では第3海兵師団のライフル小隊を指揮した。彼はブロンズスターメダル、2つの海軍称揚メダル、パープルハート章、武勇十字章を受章した。
退役後
軍を退役後はバージニア大学法学大学院で学び、最終的に法律審査に従事した。法学博士の学位を取得した後、ミュラーは1976年までサンフランシスコで弁護士として働いた。
その後マサチューセッツ州管轄連邦検代行 1986~1987
アメリカ合衆国司法次官補(刑事局担当 1990~1993
カリフォルニア州北部管轄連邦検事 1998~2001
と一貫して司法畑を歩んでいます。
第6代FBI長官 2001年9月4日~2013年9月4日をつとめました。
特別検察官の立場
特別検察官は「すべての米連邦検事と同様、あらゆる捜査機能や検察機能を行使するため、完全な権力と独立した権限」が保証されています。
これは非常に強い権限です。
その中で最も大きな違いは、特別検察官は政府外から選ばれ、かつ「誠実で公正な判断ができるとして広く認識されている」弁護士でなければいけない点でしょう。
また特別検察官は、司法省内外から人員を集めて捜査チームを結成する権限も持つ。
FBIのロシア疑惑捜査を監督する立場です。
ミュラー氏が望めば、現在ロシア関連の捜査に従事しているFBI捜査官を引き続き任務に当たらせることができます。
彼がどこで指揮を執るかについては明らかではないですが、司法省は、ミュラー氏が現在のウィルマーヘイル法律事務所の職を辞任すると説明しました。
アメリカ司法省のロッド・ローゼンスタイン副長官は、アメリカ国民が捜査結果に対して「十分な信用」を得るためには、ミュラー氏を任命する必要があったと語りました。
まとめ
第7代FBI長官が首になった後に第6代長官が特別検察官に就任というのも皮肉なことです。が早くも各方面からは、ロバート・ミュラー氏のもとで公正な調査が行われる事が期待されています。
さすがのトランプ大統領も特別検察官を解任することは困難であると思われます。
ニクソン大統領の先例にも有りますので。
また与党・共和党では上院の重鎮、マケイン議員がツイッターで「彼ならあらゆる角度からロシアの選挙への干渉を徹底的に調べてくれると確信している」と述べているほか、下院のチャフェッツ議員もツイッターに「モラー氏というのはすばらしい選択だ。
非の打ち所がない資質の持ち主だ。多くの人に受け入れられるはずだ」と投稿し、任命を歓迎しています。
一方、野党・民主党では上院トップのシューマー院内総務が「独立して捜査に当たる人物が本当に必要だった。
モラー氏はまさに適任だ」とツイッターに投稿したほか、上院ナンバー2のコーニン院内幹事がモラー氏の任命を歓迎したうえで「コミー氏に代わるFBI長官の承認手続きがより進めやすくなるのではないか」と予想しています。
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