テルモ社長佐藤慎次郎のプロフィールや年収は?本好きで有名

カンブリア宮殿【患者の負担を劇的に減らす！感動の医療ビジネスの全貌】

2019年7月4日（木） 22時00分～22時54分　テレビ東京系列

テルモ社長の佐藤慎次郎さんが出演します。
佐藤慎次郎さんのプロフィールは結構際立ったもの。

■佐藤慎次郎社長（テルモ）は本好き

なんと本が異様に好きだなのです。
それはもう子供の時から。スウェーデンの作家リンドグレーンの童話がお気に入り。『長くつ下のピッピ』で有名な作家です。
都会っ子だったので、森の生活にあこがれたようです。

『十五少年漂流記』はバイブルで、当時のクラスメートに置き換えて誰が誰だろうなんて空想し楽しんでいた。

子供から大人への橋渡しとなったのは星新一さん。小学校高学年から中学1年ぐらいまでは、寝ても覚めてショートショートのことばかり考えていて、友達とつくったりもしました。星新一はボッコちゃんで有名な作家。幾多のショートショートを世に送り出しました。当時は文学少年の端くれでした。

大人になってノンフィクションにも幅が広がりようです。

佐藤慎次郎さんはフランス文学者の鹿島茂さんやエッセイストの嵐山光三郎さんの著作が特に好きでした。気に入った作家のものは片っ端から読みます。

予備校の先生に薦めてもらったのが東洋史家の宮崎市定さんでした。世界史のなかに東洋史を位置づけ、中国を古代から現代まで語る大局観には圧倒されたようです。

博学多才で、まるで講談を聞いているよう。おもしろくてためになる一石三鳥のような本本に佐藤慎次郎さんは魅入られました。

浙江省杭州のテルモ工場を訪ねれば宋の時代を読み返し、北京で故宮にいくと清の時代をおさらいします。見たものと書かれた世界がオーバーラップします。

佐藤慎次郎さんは38歳で転職した。
出合った本がキャリアの支えに。

佐藤慎次郎さんは実業の会社から経営コンサルタントに転じたばかりで、どうキャリアを築くか悩んでいました。

書店で偶然、手に取ったのがドラッカーの『明日を支配するもの』です。第6章「明日の生き方」に大きな示唆をうけた。
自分の仕事を振り返りながら改善していく方法が書いてあったのです。

佐藤慎次郎さんは定期的に仕事の棚卸しをして、どの強みをさらに伸ばすか考えるのが習慣になりました。

弱いところにフォーカスして時間を使うのはもったいない。ないものを補おうとしないことです。日本のサラリーマンは会社人間で、事業をマネジメントすることは考えますが、自分自身をマネジメントできていない。原点に立ち返るきっかけにようです。

当時、ドラッカーはビジネスの世界でも読まれなくなっていました。ソリューションとかメソッドとか、手っ取り早く役に立つ実践的なものがもてはやされていました。

しかし、読んですぐに仕事につながらないが、最後はここに戻ってくる。ドラッカーは本質をえぐります。当時90歳だった人が書いた本とは思えない新鮮さでした。

経営者の著作を読むと、偉大なリーダーとの対話の機会になる。学ぶことが多い。

藤沢武夫さんの『経営に終わりはない』には、借り物でなく、手作りでホンダの経営を作り上げていった肌触りがあります。現代の企業は、他人が持っているたいまつの後をついて行きたがります。見通しは良いけれど、それでは長続きしない。自前にこだわって自分の技術、やり方で先頭を走らないと後世につながっていかない。はっとさせられます。

佐藤慎二郎さんは社内でよく紹介するのは『江戸っ子長さんの舶来屋一代記』です。まだ日本人が海外ブランドを知らない時代に銀座でブランドショップを経営した人物です。江戸っ子なので語り口がなめらかです。

いかに商品にほれ込んで顧客に届けたかには、ものを売るということのエッセンスが詰まっています。

グローバルな経営をしていると、社員を英語で鼓舞しないといけない場面があります。英語力も経験もいる。虎の巻として頼りにしているのが『コーチKのバスケットボール勝利哲学』です。どんな英語の言葉を使って選手を動機づけ、勇気づけてきたか、何か話すときに参考にしています。バスケットボールを超える普遍性があります。

好きな本を取り上げると、きりがありません。今回ご紹介したのとは別に3バージョンぐらいあります。本は場所をとるので一時期、電子書籍に切り替えましたが、やはり、満たされない。自分の子供はあまり本を読みません。佐藤慎次郎さんは活字文化が廃れていくのは残念で気がかりです。