【2019年7月3日追記】
かつて話題を集めた名コンビの相方が逃げ出した。
ウリボウの背中に飛び乗り、仲むつまじい姿で人気を博した、ニホンザルの「みわちゃん」。
6月28日午前9時ごろに京都・福知山市動物園の飼育員が確認したところ、おりの溶接部分が割れていて、みわちゃんがいなくなっていた。
現在、懸命な捜索が行われているが、まだ見つかっていない。
福知山動物園は、「見つけたら、すぐに連絡してほしい。エサを与えると、飛びついてきて危ないです」と注意を呼びかけている。
爆報!THE フライデー 2017年3月17日(金) 19時00分~19時56分
TBS系列 で放送
2010年にロデオ姿で一世を風靡したイノシシのうり坊とニホンザルのみわちゃんは今
ということで放送されます。
イノシシの『ウリ坊』とサルの『みわちゃん』
京都府の福知山市動物園で、子猿のみわちゃんとイノシシの子どもうり坊君が大の仲良しで、うり坊君の背中にみわちゃんが乗って、お散歩したり、抱き合ったり、一緒に走ったりして、にわかに動物園の人気物になりました。2010年5月のことです。
京都府福知山市三和町にある小高い草山。近所の農家の人が山道を歩いていると、崖下から甲高い猿の鳴き声が聞こえました。
生後間もないとみられる子猿が、母親の死骸にしがみついていた。
「状況からみて、子どもをかばった母猿が崖から転落死したようでした。母猿に守られて子猿は無事でした。お母ちゃんにくらいついてキーキー鳴いとったそうです」
子猿を預かることになった福知山市動物園の二本松俊邦園長(70)は言う。’10 年5月のことでした。
現場の三和町周辺の山々を渡り歩くニホンザルの群れがあり、子猿は『みわちゃん』と名づけられました。
可愛い名前だけれどこれでもオス。
ほぼ同時期に市内西部で溝にはまって動けなくなったオスのイノシシの赤ちゃんが救出され、同じく動物園に預けられた。『ウリ坊』と名づけられた。
「ウリ坊は、一緒の小屋にみわちゃんを入れた最初の3日間は嫌がっていたけれど、4日目の朝には一緒に寝ていたそうです。
そのうち一緒に散歩するようになりました。お互いに群れから離れてしまったひとりぼっち同士、助け合って生きているゆうて、地元の新聞に取り上げられました。微笑ましいと、韓国のテレビまで取材に来るようになって、大人気になったんです」
福知山動物園の入場者数はわずか半年で19万人を超え、前年比3倍増を記録したという。
2〜3歳で大人になるイノシシのほうが、7歳で成体となるニホンザルより成長が早い。ウリ坊は、大きな背中にみわちゃんを乗せて散歩した。またがるみわちゃんは得意げ。
しかし、屋外で散歩シーンを公開できたのはわずかな期間にとどまった。ウリ坊は体長1メートル、体重100キログラムを超え、猪突猛進のごとくガンガン檻にぶつかるようになった。
それでも、2頭の仲のよさは変わらない。
「いまだに一緒にごはん食べとるし、もう5年になるからお互い空気みたいなもんとちゃいますか。言うたら、きょうだい以上の仲ですわ」
福知山動物園では現在70種類の動物が今います。
以下は2010年の取材から
その中でも、子猿のみわちゃんとうり坊君の仲睦まじい様子が、テレビや新聞でも報道されまして、今、本当に大人気ですね。
(二本松園長)「はい、ありがとうございます。こんなことになるなんて思っていなかったので、大騒動なのです(笑)」
そうなのですね(笑)そもそもなぜ、イノシシと子猿という珍しい組み合わせが生まれたのでしょうか?
(二本松園長)「うり坊はね、全然気にしないで毎晩、事務所の入り口で寝ているのですが、猿は1歳くらいまでは、どうしても母親に抱きついて離れない動物なのです。
それで僕らが帰るときには、『独りにせんといてくれ』とワーワー泣いているのです」
(加藤)寂しがって。
(二本松園長)「そうなのですよ。それを、心を鬼にして置いて帰っていたのですね。1ヶ月ほどはがんばっていたのですが、11年前に猿と豚がすごく仲が良かったことを思い出して、今度はイノシシにみわちゃんを託したら仲良うなってくれへんかと思って、やってみたのです。
3日ほどは怒っていたのですが、4日目くらいから、うり坊君がみわちゃんに対して『背中に乗ってもかめへん』と、おとなしくなりだしたのです。それからずっと乗せていたのですが、うり坊君は1日に何回か動物園の中を走ることがストレス解消になるようで、それでおとなしくしてくれているのです。
逆にみわちゃんは、1日中誰かに抱きついていないと辛抱できないので、みわちゃんとうり坊君を一緒にすればこちらの手も離れるし、何とかならへんかなと一緒にしたのが最初だったのです」
なるほどね。そもそも動物としての性質が近くて、ちょっとくっつけてみてはどうかなという点で相性が良かったということになりますかね。
(二本松)「うり坊とみわちゃんの両方とも人間に慣れていましたし、あとはうり坊君とみわちゃんさえ仲良くなってくれれば、丸く収まると思ったのです。
3日ほどで『もういいよ』と仲良うしだしたので、屋外に出してやったら、みわちゃんがうり坊君の背中に乗って、喜んで走るのです。
その光景をお客さんが見て、本当は毎日何回も走らせるつもりはなかったのですが、ときどきうり坊君とみわちゃんの気晴らしにさせるつもりが、こんなに大げさになってしもうて(笑)」
そうすると心配なのが、子猿のみわちゃんが今月8日にけがをしていたということで、そのみわちゃんが晴れてきょうから復活をしたとお聞きしましたが。
(二本松)「ご心配をおかけしました。足のふくらはぎを噛まれて、左腕は小さな傷で皮をつまむ程度でよかったのですが、ふくらはぎの筋肉が縦に1センチから2センチほど切れたのです。それがみわちゃんもかなりショックだったようです」
アライグマにひっかかれたのでしたっけ?
(二本松)「そうです。うちにアライグマのランちゃんという大スターがいて、お客さんに『みわちゃんをひっかいたのはお前か!』と勘違いされて怒られていたのですが、実は『それちゃいます。
そのむこうにおるランちゃんの親です』と言うとったんです」
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ひっかかれて19針も縫う傷だったということですが?
(二本松)「全部で4ヶ所でした。1ヶ所あたりはそうたいして大きくはなかったのですが、足のふくらはぎの部分は細かく縫っておきたいということで、そのため多く見えたのだと思います。
きょう、腕は12時ごろに抜糸が全部できました。残るふくらはぎも、きょう抜糸しても良かったのですが、傷口が開いては困るので、安全のためにもう2~3日様子を見ようということで、獣医と話しがまとまりました」
そうですか。小さな体だけに、余計に痛々しく見えたのですが、みわちゃんがうり坊君の背中に乗る姿は、きょうは見ることができたのですか?
(二本松)「10時過ぎに復活させられるかどうか、テスト段階で走らそうとやってみました。おりを並べてフタを開けてやったら、みわちゃんはすぐにはうり坊君の所へ行かなかったのです」
なぜでしょうね?
(二本松)「やっぱり違和感があったようで、1分~1分半ほど愛想がなかったのです。そうすると急に、みわちゃんがうり坊君の背中に乗って走り始めて、元に戻ったみたいで、ほっとしたんですよ、本当に。乗らなかったらどうしようか、次に走り始めたら傷口が開かないかということも心配だったので。
20分ほど走り回って帰ってきて、見ても傷口も何ともないし、痛がりもしなかったので、やっと落ち着いたと思いました。ほんまに良かったと。
これからも毎日乗って、散歩はさせますが、ここ2~3日か4~5日ほどは、回数を減らして散歩をさせようと思っています、それからだんだん通常に戻して、今週末には通常の、だいたい1時間に1回程度走っていますから、30分ほど散歩してくれたらええなと考えています」
◆小猿のみわちゃんの今後やいかに?
徐々にね。みわちゃんはそちらの動物園の猿の群れに、今後は入れることになるのですか?
(二本松)「それが1番良いのですが、みわちゃんはオスなのです。11年前に豚と猿が仲が良かったことがありましたが、その猿はメスだったので。エリコといって、今は動物園に隣接している猿ヶ島で2匹目の子どもを育てています。
それはメスだったのでうまくいきましたが、みわちゃんはオスなので、今、群れに入れたら遊ばれて殺されます。2~3歳になってしっかりしたら、オスはみんなライバルなので余計にあかんのですわ。ボスもNo.2もみんなでよってたかって、『よそ者』という感じで、殺してしまうのです」
なるほど。猿には猿の秩序があって。
(二本松)「はい、ルールがあるのです」
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つまり群れに入れてしまうと、命の危険があるということなのですね。
(二本松)「100%殺されてしまいます。よそ者ですから、あかんのです。かわいそうですが、うちの動物園の中には入れてやれないのです。
本当は自然界に戻るのが筋ですが、これだけ人に慣れてしまうと自然には戻すことができないのです。
戻してもどこかの家に『こんにちは』と入っていくので困りますし、うり坊もこれだけ人に慣れてしまうと、自然に戻るのは無理なのです」
そういうものなのですね。
(二本松)「両方とも人に慣れたということが、自然界に戻れないということになりますので。かわいそうですがうり坊も、どこかイノシシ牧場かイノシシを何匹か飼っておられる所にもらってくれるように努力をしたり、猿も人に慣れている猿の子どもが欲しいというところを探さないと仕方ないのです」
園長は長年、いろいろな動物を見て来られたと思いますが、今回のうり坊君とみわちゃんの大人気ぶりというか、騒動は複雑ですか?
(二本松)「今後のことが本当に困っているのです。せっかく仲の良いうり坊君とみわちゃんですが、今、子どもですから仲良くしているだけのことで、大きくなったら基本的に別の種類同士は無理なのです。
いつか、別々にならなしゃあない時が来るのです。
猿は1歳くらいになれば、小さい子を追いかけて噛むようになる可能性があるのです。イノシシもうちに来たときは2キロくらいの体重が、今は7キロほどに大きくなりましたから」
ずいぶんと大きくなったのですね。
(二本松)「リピーターの方が来られて『うわっ!大きくなった』とびっくりするくらい大きくなったのです。このままだと年末には10キロを超えると思います。
そうなるとかわいげも飛んでしまいますし、力も強くなりますから。小さいお子さんにどうするかがわからないので」
そうですね。そのご心配もありますね。
(二本松)「なんぼかわいいと言っても、けが人を出してしまうと何にもなりませんから。そのあたりが限界なので、今年いっぱいはできると思いますが、来年はわからないですね。
なるほど。園長のご苦労やお気持ちが伝わってまいります
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