宮嶋康彦さんはプロのカメラマン。風景や動物の写真を得意としています。
たい焼きで魚拓をとるようになったきっかけは、
あんこが大好きで甘党の宮嶋さんが、釣った魚を魚拓にしていたとき
余った墨で、近所で買ったたい焼きで魚拓を取ってみたことだそう。
最初はシャレで作っていました。
当初は洒落で居間に飾っておいて、来客が魚種を尋ねた時に言って反応を楽しんでいたそうですが
徐々に日本全国のたい焼きを魚拓に取るようになったそうです。
麻布十番の浪花家や、人形町の柳屋などの金型が一匹のものを「天然物」、
いっぺんに何匹も焼ける鉄板タイプを「養殖物」としましたが、
どちらも味は決められない物であると宮嶋康彦さんは言います。
魚拓を取ると、目で見ただけでは見えにくい模様がくっきりと浮かび上がります。
目で見えるものだけではなくて、拓に取ることで、たい焼き屋の歴史まで浮かび上がってくるのだそう。
魚拓はたい焼きを買った直後に行い、墨がついた部分は干物にして保存し、残りは食べるそうです。
魚拓は半紙を綴った本の形で保存しています。
しかし天然物のたい焼きはもう絶滅危惧種になりつつあるのです。
写真家宮嶋康彦の経歴
宮嶋 康彦(ミヤジマ ヤスヒコ)
1951年長崎県生まれ。文章の富と写真の富を融合させて、新たな富を創出する試みを続けています。
原料の楮(こうぞ)から育てた自作の手漉き和紙に、プラチナプリントを行う作品を制作。
受賞歴に、85年「ドキュメントファイル大賞」がある。主な著作に『脱「風景写真」宣言』、『写真家の旅』、『汎自然』、『母の気配』などがある。宮嶋康彦写真塾主宰。立教大学異文化コミュニケーション研究科兼任講師を歴任。東京造形大学写真専攻領域講師。
宮嶋康彦写真集
あおぞら
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