日本テレビ系「行列のできる法律相談所」などに出演する大渕愛子弁護士（３８）が２日、東京弁護士会から業務停止１カ月の懲戒処分を受けました。
大渕愛子弁護士は、２日の謝罪会見で処分期間中のテレビ出演は自粛すると発表しました。
＜東京弁護士会の処分の理由は＞
同弁護士は２０１０年１０月、養育費請求の依頼を着手金１７万８５００円、顧問料として月額２万１０００円で依頼者と合意し、業務を受任した。
その後、依 頼人が日本司法支援センター（法テラス）の代理援助制度を利用したいと申し出て大渕氏も了承。翌１１月に着手金１０万５０００円と実費２万円を法テラスが 立て替える認定がおりた。
法テラスでは代理援助中、弁護人が依頼者に、認定された以上の料金を請求しない取り決めがあるが、同弁護士は依頼人に着手金の残 金７万３５００円と業務終了までの５カ月分の顧問料金１０万５０００円を請求し、受け取っていた。
２０１１年１０月に東京弁護士会から「返金しなければいけないお金だ」と指摘を受け、同月に依頼者に差額として受け取った７万３５００円と顧問料金１０万５０００ 円の、合計１７万８５００円を返金した。その後、依頼者から連絡はなかったというが、一昨年１０月に懲戒請求がなされ、今回の処分に至ったという。
問題点は
●依頼者から返金依頼があったのに無視した
●法テラスの代理援助の制度をまったく知らなかった
以上のような問題点があったようです。
＜大渕愛子弁護士の見解＞
「２０１０年１０年１月に独立し、その年に受任した案件。国内の事件を扱ったことがなく、それまで中国関係の仕事をしていた」と説明。その上で「全く正当化されることじゃないが、国内事件を教えてくれる先輩もボスもいない中、手探りでやって大きな過ちを犯した」と釈明した。
と述べていますが、これは言い訳にすぎません。
当然弁護士としては把握しておかないといけないし、依頼者に指摘された後も、５か月も掘っておいたというのは理解に苦しみます。
法テラスのシステムなど弁護士でなくても調べればすぐわかるから。怠慢というほかはないです。
後日取りすぎた報酬は依頼者に返金したものの遅きに失したということ。
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＜法テラスの民事法律扶助の援助内容は？＞
①法律相談
法テラスでは、一定の要件を満たす場合、法テラスと契約している弁護士や司法書士の法律相談を無料で受けることができます。弁護士等への法律相談は通常で あれば大体1時間で5千～1万円かかることが多いので、これはお得ですね。この無料の法律相談は1回につき30分ほど相談でき、1つの問題につき3回まで 利用することが可能です。
離婚や損害賠償などの民亊・家事に関する問題の他、行政に関する問題についても相談することができますが、犯罪 の犯人の逮捕についてなど刑事事件についての相談をすることはできません。
犯罪の被害で困っていることがある場合は、法テラスへ問い合わせをすれば、犯罪 被害者支援の制度や団体を紹介してもらえますので、そちらを利用することも可能。
法律相談だけでなく、内容証明等の簡単な文書を作成してもらうこともできます。もちろん文書の名義は法テラスではなく相談者自身です。
②代理援助
●法テラスが基準金額を設定
●援助した金額は依頼人が分割返済する
弁護士や司法書士に法的なトラブルの解決を依頼しようとする場合、着手金と呼ばれる手続きを進めるための費用を支払う必要があります。しかし、この着手金 は数十万円ほどかかる場合がほとんどであるため、経済的に余裕が無ければ法律家への依頼ができない、ということになってしまいます。
そこで、法テラスでは民亊や家事、行政に関する裁判手続きやその前段階の調停・示談等を弁護士や司法書士に依頼する場合に必要となる着手金の立替えを行っ ています。また、裁判を行うには裁判にかかる費用を裁判所に納める必要があるのですが、この費用も実費等として立替えをしてもらえます。
立替えをしてもらった後は、毎月5千～1万円ずつ返済していくことになります。紛争が解決してから大体3年以内には返済が終わるように金額が決められます。
③書類作成援助
弁護士や司法書士には、裁判手続きや示談などの交渉ではなく、裁判書類の作成のみを依頼することがあります。例えば自己破産や個人再生の申請書類作成など です。
このような書類の作成にも通常であれば手数料が取られるのですが、法テラスではこの費用の立替えも行われています。
＜先輩住田裕子弁護士の見解＞
東京弁護士会から業務停止１か月の懲戒処分を受けた大渕愛子弁護士（３８）について、住田裕子弁護士（６５）が３日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」（月～金曜・後１時５５分）に出演し、対応に疑問を呈した。
住田弁護士はこの件に対して、大渕弁護士が法テラスに関しての知識を欠いていたと発言したことに対し、「中身について知らないということがまず理解でき ない」と疑問を呈した。さらに当初、依頼人に月額で顧問料を要求していたことにも「通常の弁護士でこういうことをやっている人はきわめて少ない。私からす ると法外な金額を要求されている」とバッサリと切り捨てた。
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