『クローズアップ現代』で放送混合診療の行方、問題点はどこに

NHK総合テレビ 2016年2月24日(水)放送

クローズアップ現代 19:30~19:57

私の望む治療、受けられますか  ~広がる“混合診療”の行方~

出演者 宮田 俊男 さん(日本医療政策機構エグゼクティブディレクター)

『クローズアップ現代』で放送混合診療の行方

【混合診療とは】

保険診療と、私費による自由診療とを組み合わせること。日本では原則として禁止されているが、例外として特定療養費制度が設けられ、差額ベッドなどの選定療養と、大学病院など特定の医療機関で行う高度先進医療が認められている。

政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)や経済界の強い主張を受け、2004年12月、混合診療の大幅な拡大が決まった。

しかし、全面解禁は見送られ、混合診療の対象となる医療技術を安全性に配慮した上で「例外」として個別に認める、現行の仕組みの延長線上での拡大となりました。

拡大により従来の選定療養と高度先進医療に加え、

①国内未承認薬が治験の対象となれば混合診療が認められるようにし、欧米で承認された薬は自動的に治験の対象として早期に治験の可否の結論を出すこと

②ピロリ菌除去など一定回数を超えると保険が利かなくなり保険対象の費用も含めて全額自己負担となる診療は、回数を限定して混合診療を認める、などがきまりました。

③必ずしも高度でない先進技術にも適用し、2000程度の医療機関で実施できるようにすること

混合診療を巡っては、私費の部分が拡大すると保険財政を安定させる半面、

保険医療の水準が低くなる恐れが懸念されています。

 

【混合診療メリット・デメリット】

メリットとしては、保険外併用療養費には「厚生労働大臣が定めた」という条件がつきます。

それが現在、政府の規制改革会議において、『医師と患者が合意をすれば、「選択療養」(仮称)として保険外併用療養費の対象とする』という案が検討されています。

仮に「選択療養」が実現すれば、一部は健康保険が使えるので高度先進医療も選びやすくなり、患者の治療の選択肢は増えることが考えられます。

病院では例えば「日本で認められて いないけれど、海外で認められている」治療等を行いやすくなり、混合診療禁止違反で保険病院指定を取り消されるリスクが大幅に減る、という面もあります。
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デメリットとしては

現状の保険外併用療養費の「評価療養」と異なり、「選択療養」は必ずしも将来の健康保険適用が前提ではありません。

たとえ効果的で安全な高度先進医療とわ かっても、健康保険が適用されず、「選択療養」にとどまれば、その治療費を患者が全額負担することになり、患者にとってデメリットとなります。

また、患者と医師はいつも同等の立場で合意できるでしょうか? 医師に言われれば、高額な医療費を払う人もいるでしょう。いまだ医師の言葉には患者を従わせるだけの力はあります。

専門知識の差とでも言いましょうか、いくら情報が行きわたっても究極患者は医師ではありません。

症状が重いほど、本人も周囲も選択に迷いそうです。もし悪い結果になれば、選択を後悔する人もい るでしょう。選択肢の多いことが、時にはデメリットにもなりえます。

【放送あらすじ】

現在日本では原則禁止とされている“混合診療”。しかしこの4月から、患者からの「申出」によって例外的に、未承認薬等を使った保険外の診療と保険診療を 併用できる制度「患者申出療養制度」が始まる。

既にある「先進医療」より治療の選択肢が大幅に広がる可能性があり、いち早く最新治療に辿り着きたい個々の 患者からは、切実な期待が高まっている。

一方で患者団体の中からは「制度が患者の望んだものになっていない」と懸念を示す意見書が出され、波紋を呼んでい る。

混合診療が認められると、保険適用外の薬が未承認のまま、高額の自費負担の状態に据え置かれるのではないかという懸念が出て来たからだ。

制度導入を直 前に控えた医療現場では、次々と患者から持込まれることになる要望に、現実に対応できるのか戸惑いと混乱も広がる。一大転機とも言われる今回の変革で医療 がどう変わり、どんな影響が出てくるのか、検証する。

 

まとめ

保険適用外の薬が未承認のまま高額の自費負担を据え置かれるのは、家計を圧迫します。治療の選択肢が広がるのは、いいことです。我々は混合診療のメリット・デメリットを正確に把握し対応したいですね。

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